No.045 高齢期の栄養素
高齢期には、体の各部位に様々な変化が生じてきます。
変化を知り、変化に上手に対応することで、いつまでも若々しさを保つことを目指したいものです。
変化を知り、変化に上手に対応することで、いつまでも若々しさを保つことを目指したいものです。
高齢社会 日本
現代の日本は、2007年から高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が21%を超え、超高齢社会に入っています。
また、平均寿命も、2008年で男性79.3 歳、女性86.1歳となっており、2055年には男性83.7歳、女性90.3歳と予測されています。(平成22年版高齢社会白書)
また、平均寿命も、2008年で男性79.3 歳、女性86.1歳となっており、2055年には男性83.7歳、女性90.3歳と予測されています。(平成22年版高齢社会白書)
高齢期(65歳~)における体の変化
高齢期には、体の各部位に次のような変化が現れます。
筋肉・骨
- 30歳を過ぎると、日常生活のみでは筋肉量は年間1%ずつ衰えるとの研究がある。骨密度も加齢とともに低下、特に閉経後の女性は骨量の減少が顕著。
- 運動量が低下するため筋肉が減少する。基礎代謝が減り、太りやすくなるとともに、骨粗鬆症リスクが増大する。
- 加齢による骨格筋の消失は、筋力低下、歩行と平衡感覚の変化、身体機能の低下の一因となる。
感覚器官
- 舌の乳頭と嗅神経終末数の減少、入れ歯の使用、認知症、薬物治療等による味覚・嗅覚障害がみられる。
- 長年の紫外線照射により水晶体の蛋白が変性し「白内障」になる。また、加齢に伴い水晶体の弾性が失われるため、毛様体筋の調節機能が不足し「老眼」になる。
消化器官
- 消化管機能低下による栄養素吸収率の低下。(例:胃酸の量が減り、ビタミンB12の吸収ができず、ビタミンB12欠乏症になりやすい。)
- 加齢に伴う大腸の変化や運動量の低下によって便秘になりやすい。
ホルモン
- 加齢に伴って低下するホルモンには、成長ホルモン、IGF-1、DHEA-S、メラトニン、女性ホルモン、男性ホルモンなどがある。
- 閉経後、性ホルモンが減ることで、骨形成機能が衰え、骨粗鬆症になりやすくなる。
その他
- 血管弾性が低下するため、高血圧、心血管疾患になりやすくなる。
- 腎機能の低下(主にネフロン数の減少)により体液の酸塩基平衡が衰え、ホメオスタシス(恒常性)が乱れる。
- 神経伝達物質合成の減退、神経伝達の効率低下による神経、精神障害。
(例:セロトニン合成能の低下がうつ、不眠、神経疾患に関わる。) - 体液性免疫、細胞性免疫が損なわれ、感染症のリスクが増大。個人差もあるが、70歳代の免疫力はピーク時の10%前後まで低下すると考える研究者もいる。
高齢期に特に重要な栄養素の一例
高齢期では、次のような栄養素が特に重要となります。
タンパク質
高齢になると、骨格筋のタンパク質貯蔵が減り、タンパクやホルモンの合成に不足が生じる ため、食事によるタンパク質摂取の重要性が増す。
亜鉛
味覚障害、嗅覚障害、免疫力向上、食欲不振に関わる。褥瘡の予防、治療にも効果が期待できる。
カルシウム
欠乏すると、骨粗鬆症になりやすい。加齢によりカルシウム吸収率が低下する。
抗酸化物質
ビタミンC、ビタミンEなど:細胞傷害予防(白内障、心疾患、がんなど)に役立つ。
ビタミンD
骨粗鬆症、大腸がん予防等に役立つ。日光からビタミンDを合成する能力は、高齢者では約60%低くなるとも言われている。
ビタミンB6
不足すると抵抗力が落ちたり、筋肉が弱ったり、不眠、うつ、食欲低下の原因にもなる。
高齢者への栄養補給の問題点
高齢者は、体組成の変化、基礎代謝率の低下、運動の減少により、一般にエネルギー所要量は低下しますが、タンパク質、ビタミン、ミネラルの所要量はあまり変わりません。
また、上記のとおり、様々な栄養素の補給がQOLの向上に役立つと考えられていますが、一方で、高齢者の場合、上手く噛めなかったり、胃がもたれる、味覚障害などの原因で食が細くなり、食事の量自体が減ってしまいがちです。
しかも、胃腸の機能低下により、吸収率も悪くなっているため、食事だけでは十分に栄養素が摂取できないという状況にあります。栄養素が欠乏することは、さらなるQOLの低下を招いてしまいます。
食事だけでは十分に補うことの難しい栄養素は、サプリメントによって効率的に補給することができます。
(参考)
アンチエイジング・ヘルスフード:サイエンスフォーラム
食品・栄養・食事療法事典:産調出版
日本人の食事摂取基準2010年度版:第一出版
また、上記のとおり、様々な栄養素の補給がQOLの向上に役立つと考えられていますが、一方で、高齢者の場合、上手く噛めなかったり、胃がもたれる、味覚障害などの原因で食が細くなり、食事の量自体が減ってしまいがちです。
しかも、胃腸の機能低下により、吸収率も悪くなっているため、食事だけでは十分に栄養素が摂取できないという状況にあります。栄養素が欠乏することは、さらなるQOLの低下を招いてしまいます。
食事だけでは十分に補うことの難しい栄養素は、サプリメントによって効率的に補給することができます。
(参考)
アンチエイジング・ヘルスフード:サイエンスフォーラム
食品・栄養・食事療法事典:産調出版
日本人の食事摂取基準2010年度版:第一出版
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み
当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線
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