No.062 グァーガム分解物
グァーガムは水溶性の食物繊維で、様々な優れた生理効果を持っていることが知られています。
特に「グァーガム分解物」は特定保健用食品(規格基準型)の関与成分としても許可されています。
特に「グァーガム分解物」は特定保健用食品(規格基準型)の関与成分としても許可されています。
グァーガム(Guar gum)とは?
グァーガムは、インド・パキスタン地方に自生するマメ科植物(グァー豆、学名Cyamopsis tetragonoloba)の胚乳部を粉砕したもので、水溶性食物繊維を多く含み、現地では伝承的に健康に良いと食されています。
「グァーガム分解物」は、グァーガムを酵素(ガラクトマンナナーゼ)で分解し、精製したものです。
「グァーガム分解物」は、グァーガムを酵素(ガラクトマンナナーゼ)で分解し、精製したものです。
水溶性食物繊維の効果
水溶性食物繊維は「消化酵素」によって分解されないため、食後の血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑制することが一般的に知られています。
「グァーガム分解物」は他の食物繊維(難消化性デキストリンや寒天等)よりもヒトの「腸内細菌」に発酵分解されやすく、腸内細菌が「短鎖脂肪酸」を産生しやすくすることがわかっています。
「グァーガム分解物」は他の食物繊維(難消化性デキストリンや寒天等)よりもヒトの「腸内細菌」に発酵分解されやすく、腸内細菌が「短鎖脂肪酸」を産生しやすくすることがわかっています。
腸内細菌がつくる「短鎖脂肪酸」の効果
短鎖脂肪酸とは、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの分子量の小さな脂肪酸の総称です。
短鎖脂肪酸は大腸を構成する細胞の主要な栄養源となり、次のような働きがあるといわれています。
短鎖脂肪酸は大腸を構成する細胞の主要な栄養源となり、次のような働きがあるといわれています。
- 腸管粘膜細胞の栄養源で、絨毛の伸長や運動性に関わる
- 炎症性サイトカインの発現抑制
- 水分、Na、Ca、Mgの吸収促進
- 肝臓での脂質合成の抑制
- 大腸内のpHを調節し、悪玉菌の増殖を抑制
「短鎖脂肪酸・グァーガム分解物」の効果を示す臨床試験
便通、便秘の改善
便秘傾向の女性15名にグァーガム分解物を5g/日、2週間摂取させたところ、排便回数の平均が3.67回/週から5.37回/週に増加し(p<0.05)、便のpHも6.91から6.36に低下しました。
短鎖脂肪酸が腸の蠕動運動を活発にし、水分調節を正常に行ったことで便通・便秘の改善を示したと報告されています。
(太陽化学株式会社:健康・栄養食品研究2.1-8.1999)
短鎖脂肪酸が腸の蠕動運動を活発にし、水分調節を正常に行ったことで便通・便秘の改善を示したと報告されています。
(太陽化学株式会社:健康・栄養食品研究2.1-8.1999)
ミネラルの吸収促進
ラットに「グァーガム分解物」5%の添加食を与えたところ、標準食のみを与えたラットよりも、添加食を与えた方がカルシウム、マグネシウムともに吸収率が増加したとの報告がありました。
これは、短鎖脂肪酸により腸内pHが低下し、ミネラル溶解性が高まることで吸収率も高まったと考えられています。
(British.J.Nutr.(1996)76.773-784)
これは、短鎖脂肪酸により腸内pHが低下し、ミネラル溶解性が高まることで吸収率も高まったと考えられています。
(British.J.Nutr.(1996)76.773-784)
過敏性腸症候群(IBS)の症状改善
過敏性腸症候群(IBS)は、慢性的なストレスや緊張が原因で腸内の水分調節異常や腸管幅が狭まり、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返す疾病です。
IBS患者188名のうち、対照群(小麦フスマ30g/日摂取)と「グァーガム分解物」5g/日摂取群を比較したところ、12週間後、対照群の改善者割合は41.5%、「グァーガム分解物」摂取群の改善者割合は64.9%でした。
(Parisi GC et al Dig. Dis. Sci.(2002) 47:1697-1704)
IBS患者188名のうち、対照群(小麦フスマ30g/日摂取)と「グァーガム分解物」5g/日摂取群を比較したところ、12週間後、対照群の改善者割合は41.5%、「グァーガム分解物」摂取群の改善者割合は64.9%でした。
(Parisi GC et al Dig. Dis. Sci.(2002) 47:1697-1704)
小腸内細菌過繁殖:SIBO(サイボ)
普段大腸内で繁殖するはずの腸内細菌が小腸で過繁殖してしまい、ガスの過剰発生や下痢、腹痛等の症状を伴う疾病です。抗菌薬による治療が一般的です。
500名にリファキシミン(抗菌薬)単体を1.2g/日、一方にはリファキシミン(1.2g/日)+グァーガム分解物5g/日を10日間摂取させ、自己問診とグルコースによる呼気検査(小腸内でのグルコース加水分解率を調査)を行った所、77名のSIBO患者中、リファキシミン単体摂取群での細菌撲滅率は62.1%であるのに対し、「グァーガム分解物」との併用群は87.1%でした。
(Aliment Pharmacol Ther.2010 Oct;32(8):1000-6)
500名にリファキシミン(抗菌薬)単体を1.2g/日、一方にはリファキシミン(1.2g/日)+グァーガム分解物5g/日を10日間摂取させ、自己問診とグルコースによる呼気検査(小腸内でのグルコース加水分解率を調査)を行った所、77名のSIBO患者中、リファキシミン単体摂取群での細菌撲滅率は62.1%であるのに対し、「グァーガム分解物」との併用群は87.1%でした。
(Aliment Pharmacol Ther.2010 Oct;32(8):1000-6)
血中コレステロールの低下
ややコレステロール値が高めな15名を「グァーガム分解物」5g/日摂取群と15g/日摂取群に分け、2週間摂取前後の血中脂質を測定した所、両群ともにコレステロール値が低下しました。
5g/日摂取群は平均215.6mg/dLから208.6mg/dL、15g/日摂取群は平均195.3mg/dLから188.7mg/dLに下がりました。
(Food Hydrocolloids, (1997)11,239)
5g/日摂取群は平均215.6mg/dLから208.6mg/dL、15g/日摂取群は平均195.3mg/dLから188.7mg/dLに下がりました。
(Food Hydrocolloids, (1997)11,239)
プレバイオティクス:腸内細菌叢の改善
健康な成人男性9名が「グァーガム分解物」21g/日を1週間摂取したところ、腸内ビフィズス菌の便中における占有率が14.7%から31.7%に増加(p<0.05)していました。
腸内細菌が産生した短鎖脂肪酸が、腸内を 弱酸性にすることで腸内環境を善玉菌が増殖しやすい状態にしていると考えられています。
(太陽化学株式会社:BiosciBiotech,Biochem58,1364-1369,1994)
腸内細菌が産生した短鎖脂肪酸が、腸内を 弱酸性にすることで腸内環境を善玉菌が増殖しやすい状態にしていると考えられています。
(太陽化学株式会社:BiosciBiotech,Biochem58,1364-1369,1994)
(参考)
太陽化学株式会社:グァーガム分解物のお話
太陽化学株式会社:グァーガム分解物のお話
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み
当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
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