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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.096 今さら聞けないシリーズ ビタミンD①

No.096 今さら聞けないシリーズ ビタミンD①


ビタミンDはとても有名な栄養素です。
今回はビタミンDの体内での生成や日光浴との関係、ビタミンDの不足症状やどういった食品で摂取できるのかについて紹介いたします。

ビタミンDとは?

ビタミンDは、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、ビタミンD3(コレカルシフェロール)の総称で、脂溶性ビタミンの一つです。
サプリメントで摂取する場合にはビタミンD2よりD3の方が優位に血中濃度(25(OH)D3)を上昇させると言われています。

ビタミンDの効果

ビタミンDに期待される効果は次の通りです。
  1. 骨の健康維持
  2. 筋肉量の維持・改善
  3. 高齢者の転倒予防
  4. 関節リウマチの予防
  5. 乳がんの予防
  6. 高血圧症の改善
  7. インフルエンザの予防

ビタミンDは体内で作られる

日光(紫外線B波)に当たることにより、体内でビタミンDが生成されます。
しかし、紫外線B波はガラスを貫通しにくいため、窓越しの日光浴ではビタミンDの生成量は低下する可能性があります。

国立環境研究所と東京家政大学研究チームが、1日の目安量である5.5µgすべてを体内で生成する場合に必要な日光浴の時間を、日本国内の3地点(札幌・つくば・那覇)について数値計算で求めたものを報告しています。

ビタミンD 5.5µgを生成するのに必要な日照時間

季節 夏季(7月) 冬季(12月)
時間 9時 12時 15時 9時 12時 15時
札幌 7.4分 4.6分 13.3分 497.4分 76.4分 2741.7分
つくば 5.9分 3.5分 10.1分 106.0分 22.4分 271.3分
那覇 8.8分 2.9分 5.3分 78.0分 7.5分 17.0分
夏季であれば、昼間に数分程度の日光浴で必要な量のビタミンDが生成できますが、冬季の札幌では那覇の10倍以上の日光浴が必要となります。
また、曇天や雨の日は生成量がさらに低下することも報告されています。

ビタミンDが不足しやすいのは?

ビタミンD不足のリスクが高いのは、次の条件に当てはまる場合です。
  1. 日光を避けている人
  2. 高齢者
  3. 肥満者
  4. 脂質処理能力に障害(クローン病やセリアック病等)がある方
  5. 乳幼児

乳幼児では、ビタミンDの含有量が少ない母乳育児や、極度に紫外線を避けてしまうことなどで不足しやすいと言われており、母乳育児の場合は適切な日光浴の習慣や母親の積極的なビタミンD摂取が望まれます。

また、京都市内で2006年から2007年の1年間に出生した新生児1120人の内、22%にビタミンD欠乏症を示唆する頭蓋ろうが認められたという報告があり、胎児の骨量が増加する妊娠後期が冬季となる、4-5月に産まれた子で特に頻度が高い傾向がみられました。
そのため、妊婦がビタミンD不足になることで、胎児のビタミンD欠乏が起こる可能性が示唆されています。

ビタミンDの欠乏症状

骨の正常な形成に必要なビタミンDが不足することで起こる典型的な欠乏症はくる病と骨軟化症です。
ビタミンDが不足してくると、骨の痛みや筋力低下などの症状が現れますが、初期の段階では症状が軽微なことがあり、見逃してしまうことがあります。

ビタミンDの摂取と注意点

ビタミンDを多く摂取できる食品

摂取する際の注意点は?

ビタミンDの過剰摂取は食欲不振や体重減少、多尿、不整脈などの症状を起こすことがあり、重症化するとカルシウムの血中濃度を上昇させ、血管や組織の石灰化から心臓、血管、心臓などが障害されることがあります。
耐容上限量(100µg/日)を上回るビタミンDの長期摂取は健康への有害な影響を及ぼすリスクがあるので、自己判断での摂取には注意が必要です。
目安量(µg) 耐容上限量(µg)
男性(18歳以上~) 5.5 100
女性(18歳以上~) 5.5 100
妊婦 7.0
授乳婦 8.0
【参考】
Am J Cli Nutr.June 2012 Vol.95 No.6 1357-1364
「健康食品」の安全性・有効性情報
独立行政法人国立環境研究所体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
厚生労働省「統合医療」情報発信サイト


情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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