No.98 ロイシンの働きについて
筋肉の合成に必要と言われているアミノ酸の中で、特にその効果が注目されている分岐鎖アミノ酸の一つがロイシンです。 今回は、筋肉の材料だけではなく、新たな機能と働きも明らかにされてきたロイシンについて、まとめてご紹介いたします。
ロイシンとは?
ロイシン(Leucine)は、側鎖にイソブチル基を持つ疎水性の必須アミノ酸の一つで、分岐鎖アミノ酸(BCAA)に分類されます。
ロイシンは、1日の必要量がアミノ酸の中で最大ですが、含有する食品も多いため通常の食事では不足しにくいと言われています。
ロイシンは、1日の必要量がアミノ酸の中で最大ですが、含有する食品も多いため通常の食事では不足しにくいと言われています。
筋肉の合成と分解
筋肉は合成と分解を繰り返すことで維持、増加していくことが知られています。
しかし、このバランスが崩れ、筋肉の分解ばかりが亢進してしまうと、筋肉が痩せ、基礎代謝の低下や身体機能の低下(サルコペニア)などを引き起こすことがあります。
バランスが崩れる原因として挙げられるのは、「タンパク質不足」、「消化吸収能力の低下」や「ストレス」などです。
しかし、このバランスが崩れ、筋肉の分解ばかりが亢進してしまうと、筋肉が痩せ、基礎代謝の低下や身体機能の低下(サルコペニア)などを引き起こすことがあります。
バランスが崩れる原因として挙げられるのは、「タンパク質不足」、「消化吸収能力の低下」や「ストレス」などです。
筋肉の合成とロイシン
正常な筋肉タンパク質合成のためには、材料としてのアミノ酸を筋肉へ供給することが不可欠です。
特にロイシンは必須アミノ酸であるだけでなく、タンパク質の代謝を調節する働きもあると言われています。
ロイシンは細胞内のタンパク質合成に関わる酵素複合体mTOR(mammalian target of rapamycin)を活性化し、タンパク質合成を促す因子として働くことが知られており、さらにmTOR活性はタンパク質分解抑制としても働きます。
一方で、ストレスにより分泌される副腎皮質ホルモン「グルココルチコイド」は、mTORの働きを抑制するため、ストレスを受けることでタンパク質合成が妨げられると考えられています。
特にロイシンは必須アミノ酸であるだけでなく、タンパク質の代謝を調節する働きもあると言われています。
ロイシンは細胞内のタンパク質合成に関わる酵素複合体mTOR(mammalian target of rapamycin)を活性化し、タンパク質合成を促す因子として働くことが知られており、さらにmTOR活性はタンパク質分解抑制としても働きます。
一方で、ストレスにより分泌される副腎皮質ホルモン「グルココルチコイド」は、mTORの働きを抑制するため、ストレスを受けることでタンパク質合成が妨げられると考えられています。
ロイシンとその代謝産物HMB
激しい運動を行うと筋繊維が損傷を受けます。その損傷を修復する働きがあるのが、ロイシンから体内で代謝、合成される「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸(HMB:β-hydroxy-β-methylbutyrate)」です。
摂取したロイシンの約5%がHMBへ変換されることが報告されており、このHMBには「運動時の筋損傷を抑える」とともに、「筋肉量を増加(筋肉合成を促進)」する働きがあると言われ、最近注目を集めています。
摂取したロイシンの約5%がHMBへ変換されることが報告されており、このHMBには「運動時の筋損傷を抑える」とともに、「筋肉量を増加(筋肉合成を促進)」する働きがあると言われ、最近注目を集めています。
ロイシンと肝機能の改善
肝機能が低下した患者において、ロイシンによる肝臓でのアルブミン合成促進や、肝細胞増殖因子の産生・分泌促進作用などが見出されつつあり、ロイシン摂取による肝機能改善効果が期待されています(外科と代謝・栄養 50巻6号 2016年12月P327-333)。
ロイシンとインスリン抵抗性の改善
BCAAには耐糖能の改善とインスリン感受性の上昇効果があることが報告されていましたが、その作用はロイシンとイソロイシンを単独投与することでも認められることがマウス実験において報告されています(生化学 第84巻 第11号 P938-942)。
ロイシンを摂取する際には
このように、ロイシンには様々な効果が認められ、筋肉の合成だけでなく、肝機能の改善や耐糖能異常の改善なども期待できる栄養素です。
しかし、ロイシンを単独で摂取すると、血漿中ロイシン濃度は摂取後30分でピーク値に達した一方、同じくBCAAであるイソロイシン、バリンの血漿濃度は減少する傾向が見られ、さらにその他複数のアミノ酸(メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン)の血漿濃度も低下したとの報告もあり(SpringerPlus 2014, 3:35)、ロイシンが他のアミノ酸の働きを調節している可能性が示唆されるとともに、ロイシンを摂取する場合は、他の必須アミノ酸も一緒に摂取する方がより効果が高いと考えられます。
しかし、ロイシンを単独で摂取すると、血漿中ロイシン濃度は摂取後30分でピーク値に達した一方、同じくBCAAであるイソロイシン、バリンの血漿濃度は減少する傾向が見られ、さらにその他複数のアミノ酸(メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン)の血漿濃度も低下したとの報告もあり(SpringerPlus 2014, 3:35)、ロイシンが他のアミノ酸の働きを調節している可能性が示唆されるとともに、ロイシンを摂取する場合は、他の必須アミノ酸も一緒に摂取する方がより効果が高いと考えられます。
【参考】
タンパク質・アミノ酸の科学(㈱日本必須アミノ酸協会)
大阪府栄養士会 分岐鎖アミノ酸(BCAA)の機能性
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書 参考資料1「高齢者-たんぱく質代謝と筋肉
フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連、たんぱく質並びにアミノ酸の介入試験」
基礎老化研究35(3);11-16,2011、外科と代謝・栄養47巻2号71-75,2013年4月
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
タンパク質・アミノ酸の科学(㈱日本必須アミノ酸協会)
大阪府栄養士会 分岐鎖アミノ酸(BCAA)の機能性
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書 参考資料1「高齢者-たんぱく質代謝と筋肉
フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連、たんぱく質並びにアミノ酸の介入試験」
基礎老化研究35(3);11-16,2011、外科と代謝・栄養47巻2号71-75,2013年4月
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
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