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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.101 抗酸化物質とは?

No.101 抗酸化物質とは?


抗酸化物質という言葉は良く耳にしますが、実際に抗酸化物質はなぜ必要なのか、体の中で何をしているのか、どのような物質を指すのか、について活性酸素との関係からご紹介いたします。

酸化と活性酸素

抗酸化物質は、過剰な活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素を消去する働きのある物質を指します。
『抗』酸化といっても酸化還元反応自体はヒトの生命活動に必要なエネルギー(ATP)を作る上では欠かせない反応です。
しかしながら、エネルギー生成過程で酸素分子(O2)が還元される反応において、一部の酸素分子が不完全に還元されることでスーパーオキシドアニオン(・O2-)と呼ばれる「活性酸素」が発生します。

このような活性酸素は化学的に不安定で反応性が高く、体内で過剰に発生すると細胞が傷つけられ、多くの疾患の原因となると考えられています。
活性酸素はエネルギー生成過程以外でも発生し、免疫や血流、排卵や受精などにも関わる生理機能に有益な物質でもありますが、近年、ストレスや放射線、タバコ、薬剤等の影響で多量に発生することが健康を害する要因になると懸念されています。

活性酸素の種類

人は毎日15,000~20,000リットルの空気を呼吸し、100リットル以上の活性酸素を生成していると言われています。
活性酸素や活性酸素を発生する物質などを「活性酸素種(ROS:reactive oxygen species)」とも呼びます。

主な活性酸素種(生体内の酸化剤)

スーパーオキシドアニオン
・O2-
  • 分子の最外殻に不対電子(・)を持つため不安定(フリーラジカル)
  • 他のラジカルよりも酸化力は弱い
  • 体内で発生する中で最も多い
ヒドロキシラジカル
・OH
  • フリーラジカル
  • 過酸化水素に鉄や銅イオンなどが働いた時に生成
  • 寿命は短く、反応性が高い
一酸化窒素ラジカル
NO・
  • フリーラジカル(ガス状)
  • 血管弛緩をもたらすシグナル分子
  • スーパーオキシドアニオンと反応し、反応性の高いNOOO-を生成
過酸化水素
H2O2
  • 活性酸素を容易に生じる
  • 寿命が長く、生体膜を容易に通過
  • ヒドロキシラジカルに変化
アルコキシラジカル L・
  • 脂質ラジカル
  • ヒドロキシラジカルなどと不飽和脂肪酸の反応によって生じ、過酸化脂質連鎖を引き起こす
これらが生体中のタンパク質を変性させたり、DNAの主鎖切断や塩基の修飾を起こすことで傷害が起こり、生活習慣病やがんなどの原因になると言われています。

活性酸素に対抗する防御システム 

これらの活性酸素種による傷害をできるだけ受けないようにする多くの機能が備わっています。

ラジカル生成を抑制する主な抗酸化物質(予防的機能)

スーパーオキシド
ジスムターゼ(SOD)
  • 細胞質やミトコンドリアに存在する酵素
  • スーパーオキシドアニオンを過酸化水素と酸素に分解
  • SOD活性中心に銅、亜鉛やマンガンを含む
カタラーゼ
  • 肝臓、腎臓、赤血球に多く存在する酵素
  • 過酸化水素を酸素と水に分解
  • 活性部位にヘム鉄を含む
グルタチオン
ペルオキシダーゼ
  • 細胞質に存在し、グルタチオン(GSH)を必要とする酵素
  • 過酸化水素や過酸化脂質(LOOH)を分解
  • 活性部位にセレンを含む
トランスフェリン(鉄)
フェリチン(鉄)
セルロプラスミン(銅)
  • ラジカルを発生し易い金属イオンを安定させるタンパク質
カロテノイド類
  • 光吸収効果をもち、紫外線などの影響による活性酸素発生を防ぐ

ラジカルを捕捉し連鎖反応を止める主な抗酸化物質

ビタミンC
尿酸
ビリルビン
  • 水溶性ラジカルを捕捉し安定化させる
  • 脂溶性抗酸化物質(ビタミンEなど)を再生させる
  • 主に細胞質や細胞外液で作用
ビタミンE
コエンザイムQ10
カロテノイド類
  • 脂溶性ラジカル、水溶性ラジカルを捕捉し安定化させる
  • 主に細胞膜にて作用
ポリフェノール類
  • ビタミンEと同じフェノール性水酸基が抗酸化作用を示す
グルタチオン
  • チオール基(-SH)が抗酸化作用を示す

活性酸素で傷ついた細胞を修復、再生する主な機能

リパーゼ
プロテアーゼ
DNAの修復酵素
  • 損傷した膜脂質、タンパク質、遺伝子を修復するために必要な酵素

その他有用成分

ピクノジェノール®
  • 血管内皮細胞内におけるSOD、カタラーゼ、グルタチオン量を増やす
  • ビタミンCラジカルやデヒドロアスコルビン酸を再生させる
このように活性酸素から細胞を守るためには、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル等様々な栄養素を補い、活性酸素との適度なバランスを保つことが重要です。
【参考】
厚生労働相e-ヘルスネット
東邦大学理学部生物学科サイト
長崎大学大学院医歯薬総合研究科「機能性食品の活性酸素種消去能の評価」
日医大医会誌2013;9(3)
BUNSEKI KAGAKU Vol.53,No.9 pp.925-930(2004)
基礎老化研究35(3);17-22.2011
油化学第41巻第9号(1992)
化学と生物Vol.37No.6,1999
生命・食糧・環境の科学とバイオテクノロジーVo.77No.6,2003
徳島大学「活性酸素の生化学」
日薬理誌99,381-389(1992)
ホーファーリサーチ社資料


情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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