No.118 貧血の種類と対策
貧血は診療科を問わず広くみられる臨床症状だと言われています。
特に月経のある女性の場合はよくあることだと流してしまいがちですが、重篤な造血器疾患の可能性もあるため、貧血の原因をしっかりと探り、対策することは重要です。
特に月経のある女性の場合はよくあることだと流してしまいがちですが、重篤な造血器疾患の可能性もあるため、貧血の原因をしっかりと探り、対策することは重要です。
貧血って何?
貧血とは赤血球に結合する酸素積載量が身体の必要とする酸素の必要量に対して不十分な病態です。
血液の単位容積当たりの赤血球数、血色素(ヘモグロビン:以下、Hb)濃度、ヘマトクリットの低下を指し、WHOは年齢や性別によって以下のようなHb濃度未満で貧血を定義しています。
血液の単位容積当たりの赤血球数、血色素(ヘモグロビン:以下、Hb)濃度、ヘマトクリットの低下を指し、WHOは年齢や性別によって以下のようなHb濃度未満で貧血を定義しています。
区分 | ヘモグロビン濃度(g/dL) |
乳幼児(6~59ヶ月) | 11 |
子ども(5~11歳) | 11.5 |
子ども(12~14歳) | 12 |
妊娠していない女性(15歳以上) | 12 |
妊婦 | 11 |
男性(15歳以上) | 13 |
貧血の種類
鉄欠乏性貧血
鉄摂取量の不足、鉄需要の増加、過剰な鉄損失、鉄の吸収阻害などが原因でHbの主な材料である鉄が不足し、Hbが作られなくなるために起こる貧血。血清鉄とフェリチン(貯蔵鉄の指標)の濃度が低く、鉄結合能が高い傾向がある。小球性低色素性貧血の原因の大部分を占める。
再生不良性貧血
骨髄で血液が造られないために血液中の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減ってしまう病気。ほとんどの場合が原因不明だが、医薬品が原因となることもある。
悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
ビタミンB12や葉酸が欠乏することでDNA合成が障害され、赤血球の他に白血球や血小板なども減少し、骨髄に巨赤芽球が出現する。
溶血性貧血
赤血球の寿命よりも赤血球膜が早く壊れて起こる。赤血球膜が壊れる原因は自己免疫性や遺伝性など様々あるが、マラソン選手や長距離歩行などのスポーツ選手に起きることもある。
腎性貧血
赤血球産生の調節因子であるエリスロポエチンが腎障害によって腎臓で生産されなくなることで起きる。貧血の程度はBUN・クレアチニン値とは必ずしも相関しない。
慢性疾患に伴う二次性貧血
慢性感染症、慢性炎症、悪性腫瘍などによる炎症性の貧血。炎症性サイトカインにより肝臓からのヘプシジン産生が亢進し、腸管内皮細胞やマクロファージ内でのフェロポルチン(鉄運搬タンパク質)の作用が抑制される。血清鉄やHbが低下し、フェリチンが貯蔵鉄量とは無関係に増加する。
その他
加齢による生体機能低下で起きる老人性貧血、亜鉛や銅などの微量栄養素の不足によって起きる貧血などもある。
貧血対策になる栄養素
貧血対策は、貧血の原因に対処することが最も重要です。その上で貧血対策になる栄養素は以下の通りです。
鉄
食事から摂取する鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が2~3倍吸収されやすい。加工されていない全粉穀物製品に含まれる”ふすま”やフィチン酸、お茶や野菜類に含まれるポリフェノールなどは非ヘム鉄の吸収を阻害すると言われている。
タンパク質
血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる。一度にたくさん摂っても体内に貯めておくことはできないため、毎食摂取するのがお勧め。
ビタミンE
欠乏によって軽度の溶血性貧血が生じることがある。
葉酸・ビタミンB12
正常な赤血球を作るために必要であり、欠乏によって悪性貧血が生じる。
ビタミンC
非ヘム鉄の吸収を高める働きがある。また、不足すると血管(コラーゲン構造)が弱くなるため出血しやすくなる。
亜鉛
欠乏により赤芽球の分化・増殖が障害されて貧血が生じる。スポーツ競技者や透析患者では、亜鉛欠乏性溶血により貧血になることがある。
銅
不足すると鉄投与に反応しない貧血が起こる。
【参考】
国立長寿医療研究センターサイト
日内会誌104巻7号1375~1382(2015)「貧血の分類と診断の進め方」
WHO:Iron Deficiency Anaemia Assessment, Prevention, and Control A guide for programme managers
東京都病院経営本部サイト
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構サイト
日内会誌 104巻7号1389~1396(2015)「溶血性貧血:診断と治療」
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
MSDマニュアルプロフェッショナル版
日本臨床栄養学会サイト
国立長寿医療研究センターサイト
日内会誌104巻7号1375~1382(2015)「貧血の分類と診断の進め方」
WHO:Iron Deficiency Anaemia Assessment, Prevention, and Control A guide for programme managers
東京都病院経営本部サイト
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構サイト
日内会誌 104巻7号1389~1396(2015)「溶血性貧血:診断と治療」
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情報提供元:株式会社ヘルシーパス
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