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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.122 感染症と栄養素

No.122 感染症と栄養素


季節性感染症として代表的なインフルエンザに限らず、風邪なども基本的な対策は同じで、うがい・マスクのほか、免疫機能を低下させないよう栄養をしっかり摂ることが大切です。

感染症とは

環境中(大気、水、土壌、動物(ヒトを含む)など)から病原性の微生物(病原体)がヒトの体に侵入し増殖した状態を感染といいます。そして、腫れたり、熱が出たりといった何らかの症状を引き起こすと感染症となります。しかし、感染しても症状が現れる場合(顕性感染)と症状が出ない場合(不顕性感染)があり、不顕性感染者は無症状病原体保有者(キャリア)となって感染を拡げる可能性が高いといわれます。

また、感染症の種類によっては複数の感染経路をとるものがあり、感染の拡大防止には「感染経路の遮断(手洗い・うがい・マスク)」「感染源を取り除く(消毒)」「抵抗力を高める(ワクチン・正しい食事)」が重要となります。
感染経路 概要
空気感染 感染しているヒトの咳・くしゃみの飛沫が乾燥し、病原体が感染性を保ったまま空気の流れによって拡散し、それを吸い込んで感染する。
飛沫感染 感染しているヒトの咳・くしゃみの飛沫を吸い込んで感染する。
接触感染 感染源であるヒトに触れることで伝播する直接接触感染(握手など)、汚染されたものを介して伝播する 関節接触感染(ドアノブなど)がある。
経口・糞口感染 食中毒。または病原体を含む糞が手指を介して口へ入る経路を糞口感染という。

感染症と栄養の関係性

栄養不良の状態では、種々の免疫機能が低下するため、感染症にかかりやすくなり、重症化、治療期間の長期化、合併症が生じやすくなります。

一方、多くの感染症は食欲低下や消化不良の原因となり、軽度の栄養不良をより重症化させ、さらに新たな感染症にかかりやすくします。このように栄養不良と感染症はお互いをさらに悪化させる悪循環を引き起こします。

免疫・感染症に対する栄養素の作用

免疫学の進歩により栄養と感染症の関係が急速に明らかになっています。最近ではビタミンD、亜鉛などの免疫調節作用、感染症に対する作用が明確になり始め、それらの欠乏が感染症の罹患リスクにつながっている可能性が示唆されています。

ビタミンD

25(OH)D3の血清レベルの低値は気道感染症(RTI)のリスク増加と関連していることから、感染症に対するビタミンD3の効果に関するランダム化比較試験を行なった。140名に対し、ビタミンD3(4000 IU)またはプラセボが1年間毎日投与された結果、プラセボ群と比較してビタミンDグループの患者の全体的な感染スコアは大幅に減少していた。(P.Bergmanら、BMJ Open, 2 (6) 2012 Dec 13)。
小児430名 (n=217、平均10.0±2.2歳、日本) に対し、ビタミンD3(1,200 IU/日)を、冬季に4ヶ月間摂取させた結果、A型インフルエンザ罹患率の低下と関連が認められたが、B型インフルエンザ、インフルエンザ様症状等の罹患率に影響は認められなかった(浦島充佳ら、Am J Clin Nutr. 2010 May;91(5):1255-60)。
気道感染症(RTI)の負担が大きい成人患者に対し、ビタミンD(1年間4,000IE (IU)/日、n=124)を補給した結果、研究期間中にRTIが発症しない可能性が増加した。さらにRTIの総数も減少し、最初のRTIまでの時間も大幅に延長された(P.Bergmanら、BMC Res Notes 8, 391 2015 Aug 30)。

亜鉛

亜鉛不足の乳幼児96名に対し、グルコン酸亜鉛(10mg/日)を60日間摂取させた結果、急性下気道感染症の発症リスク低下と発症後の回復期間の短縮が認められた(U.H.Shahら、Clin Nutr. 2013 Apr;32(2):193-9.)。
風邪の患者45名(18歳以上、試験群22名、アメリカ)に対し、亜鉛13.3mg含有トローチを2~3時間おきに摂取させたところ、罹患期間、せき・鼻水の持続時間の短縮と自覚症状スコアの早期改善、炎症マーカー(SIL-1ra、ICAM-1)の減少が認められた(A.S.Prasadら、J Infect Dis. 2008 Mar 15;197(6):795-802.)。
【参考】
ビタミンDの多彩な効用 感染症・アレルギー・癌などの発症 予防効果 浦島充佳 ビタミン91巻
独立行政法人 国際協力機構サイト
茨城県 保健福祉部 感染症情報センターサイト
改訂版 ビタミンDと疾患(医薬ジャーナル社)
医療 栄養科学大事典 ロスら編(西村書店)
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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