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No.127 今さら聞けないシリーズ ポリフェノール


ポリフェノールは植物性食品に多く含まれる苦みや色素などの成分ですが、化学構造の違いによって様々な種類があり、機能性も異なります。そこで今回はポリフェノールについてご紹介いたします。

ポリフェノールとは?

ポリフェノールは、たくさん(ポリ)のフェノールという意味でベンゼン環に水酸基が結合した構造を複数もつ化合物の総称です。

主に植物界に広く分布し、天然物としては8,000を超える化合物が同定されていますが、天然物だけでなく酸化防止剤として開発された合成品もあります。植物性食品に含まれるポリフェノールの多くは強い抗酸化作用がある事が古くから知られていますが、食事やサプリメントとして摂取した場合、体内で代謝され、その抗酸化能のほとんどは失われてしまうとも言われています。

しかし、実際にポリフェノールを摂取すると、抗炎症・抗アレルギー作用、骨粗鬆症予防作用、視覚機能調整作用、認知機能維持作用など、有効性が示されることが多くの論文で報告されています。

これらのメカニズムについては未だに不明な点も多いですが、最近の研究ではポリフェノールの摂取がmiRNAの発現量を調節することが明らかになってきています。また、ポリフェノール類が摂取直後から循環系・代謝系に変化を与える事、また、ポリフェノールが消化吸収を経ずに交感神経を刺激している事も知られています。

ポリフェノールの種類と特徴

ポリフェノールは構造の違いによって、いくつかのカテゴリーに分類されますが、中でも植物に含まれる色素や苦味成分で、ジフェニルプロパン (C6-C3-C6)構造をもつフラボノイド類は特に多くの研究がされており、食品の機能性研究のターゲットになっています。

主なポリフェノールの種類とその特徴は次の通りです。

ヘスペリジン

かんきつ類の果皮に多く含まれる成分でビタミンPとも言われている。
漢方の原料である陳皮の有効成分としても知られており、毛細血管の抵抗性増強や血管透過性の抑制に効果が期待できる。

イソフラボン

大豆に多く含まれる成分で、エストロゲンに類似した 構造を持ち、受容体に結合して弱い女性ホルモン様作用が示す。
ダイズイソフラボンは更年期の血管障害や骨粗鬆症などに有効性が示唆されている。

アントシアニン

ベリー類や黒大豆に多く含まれる成分で、ロドプシンの再合成を促進し、眼精疲労などに効果が期待される。
特にシアニジン-3-グルコシドは抗酸化力が強いとされている。

カテキン

緑茶に多く含まれる成分で渋みの元となる。
カテキンの中でも特にエピガロカテキンガレートは緑茶に多く含まれており、抗酸化作用以外にも広範な生理活性を持っている。
抗菌・抗ウイルス効果や抗肥満、動脈硬化予防効果などが期待できる。

レスベラトロール

赤ワインに多く含まれる成分で、抗酸化作用や抗がん作用があると言われている。
レスベラトロールの構造のうち、2か所がメチル化されたものを「プテロスチルベン」と呼び、通常のレスベラトロールに比べ吸収されやすく、体内にとどまりやすいとされている。

プロシアニジン

ブドウ種子やフランス海岸松樹皮エキスに多く含まれる成分で、特に抗酸化能力が高い。
抗筋肉疲労効果や美白効果、動脈硬化抑制効果、白内障抑制効果などが期待できるほか、ビタミンCやビタミンB2の劣化抑制効果なども期待できる。
【参考】
ポリフェノールパラドックス
miRNAを介した新しい食品機能の発現機構
機能性ポリフェノール
国民生活センター ポリフェノール含有食品の商品テスト結果
日本食品分析センター「ポリフェノールと抗酸化性」
株式会社林原ホームページ
国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
素材機能研究所
日本カテキン学会
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾患予防機能とその利用
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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