No.132 適切な睡眠の重要性
日本人の睡眠時間は欧米諸国と比べると短いといわれており、睡眠不足は生活習慣病の原因になるとも考えられています。
今回は心身の休養に欠かせない睡眠について紹介します。
今回は心身の休養に欠かせない睡眠について紹介します。
睡眠と健康
睡眠は食事や運動などの生活習慣と同様に人間の健康と深く関係しています。近年、睡眠不足が生活習慣病の発症リスクを高めている可能性について研究が始まっています。まだ十分に調べられていないことも多いですが、耐糖能低下による血糖値の上昇、食欲をコントロールするホルモン(レプチンやグレリンなど)の乱れによる体重増加などが報告されています。
また、睡眠は「心」にも影響しており、抑うつや不安障害の危険因子となることや、実験的に睡眠を剥奪することで身体愁訴、不安、抑うつ、記憶力などの低下を生じることも明らかになってきているようです。
睡眠障害とは?
睡眠に何らかの問題がある状態を睡眠障害といいます。睡眠障害と聞くと「不眠」が有名ですが、「睡眠障害=不眠」というわけではなく、日中の強い眠気による活動困難や睡眠中に起きてくる病的な行動なども見られます。睡眠障害が生じる原因は、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど様々です。
また、日本では一般成人の約5人に1人が「睡眠で休息が十分にできていない」「何らかの不眠がある」と回答しており、その数は年々増加傾向にあります。睡眠障害はすでに国民病といえるのかもしれません。
安眠のために心がけたい生活習慣
自分にあった安眠法を工夫することが効果的ですが、特別なことをしなければならないと思う必要はありません。生活習慣は健康を害さず、自分にとって心地よいことを行うのが基本です。その上で、快適な睡眠のために心得ておきたい「安眠のコツ」を紹介します。
① 定期的な運動
適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し中途覚醒を減らすことにもつながります。日本人の高齢者を対象とした研究で「1日30分以上の歩行を週5日以上実施している人」や「週5日以上の習慣的な運動をしている人」は入眠困難や中途覚醒の有訴者率が低いことが示されています。
② 規則正しい食生活
睡眠不足はホルモンの乱れにより、食欲を高め、肥満になりやすいとされており、朝食の欠食や睡眠前の多量飲酒や喫煙、カフェイン摂取も睡眠の質を落とすため注意が必要です。また、摂取する栄養素の中で、アミノ酸は睡眠に必要な神経伝達物質の材料となります。
アミノ酸はタンパク質の多い食品に含まれています。
アミノ酸はタンパク質の多い食品に含まれています。
【トリプトファン】
睡眠ホルモンであるメラトニンを合成する際に欠かせないセロトニンの材料となります。また、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムはセロトニンを合成するために必要な栄養素なので、一緒に摂取することが望ましいです。
睡眠ホルモンであるメラトニンを合成する際に欠かせないセロトニンの材料となります。また、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムはセロトニンを合成するために必要な栄養素なので、一緒に摂取することが望ましいです。
【γ-アミノ酪酸(GABA)】
眠気を促す抑制性神経伝達物質として広く認知されています。不眠症の症状を訴えた40人の患者をγ-アミノ酪酸(300mg/日)摂取群とプラセボ摂取群に分け、治療前および治療4週間後の睡眠の質アンケートを行った結果、γ-アミノ酪酸摂取群で入眠潜時(眠りに入るまでの時間)が減少し[13.4±15.7/分⇒5.7±6.2/分(p=0.001)]、睡眠効果は増加しました。J Clin Neurol. 2018 Jul; 14(3): 291–295.
眠気を促す抑制性神経伝達物質として広く認知されています。不眠症の症状を訴えた40人の患者をγ-アミノ酪酸(300mg/日)摂取群とプラセボ摂取群に分け、治療前および治療4週間後の睡眠の質アンケートを行った結果、γ-アミノ酪酸摂取群で入眠潜時(眠りに入るまでの時間)が減少し[13.4±15.7/分⇒5.7±6.2/分(p=0.001)]、睡眠効果は増加しました。J Clin Neurol. 2018 Jul; 14(3): 291–295.
【グリシン】
γ-アミノ酪酸に次いで重要な抑制性神経伝達物質です。日常の睡眠に問題を感じている健康な方11名(男性3名、女性8名)を対象とした試験において、就寝前のグリシン(3g)の摂取を行うことで、すみやかに自然な深い睡眠に入り、睡眠の質が改善されることが脳波測定で認められました。Sleep and Biological RhythmsVolume 5, Issue 2
γ-アミノ酪酸に次いで重要な抑制性神経伝達物質です。日常の睡眠に問題を感じている健康な方11名(男性3名、女性8名)を対象とした試験において、就寝前のグリシン(3g)の摂取を行うことで、すみやかに自然な深い睡眠に入り、睡眠の質が改善されることが脳波測定で認められました。Sleep and Biological RhythmsVolume 5, Issue 2
③ 日光と体内時計のリズム
起床後、すぐに日光に当たることで体内時計がリセットされ、約15~16時間後に眠気が出現します。夜更かしをしたからといって起床時間を遅らせてしまうと体内時計が狂ってしまうため、スムーズに入眠するためには起床後、なるべく早く日光を浴びることが望ましいといわれています。
また、睡眠時間や就寝時間にこだわり、眠くないにも関わらず無理に寝ようとすると、寝つきを悪化させることがあります。自分にあった方法で心身ともにリラックスして、眠たくなってから寝床に就くようにすることは、適切な睡眠のためには重要です。
【参考】
厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
脳機能に影響を与える食品成分
健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠12箇条~ に基づいた保健指導ハンドブック
e-ヘルスネット[情報提供]
厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
脳機能に影響を与える食品成分
健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠12箇条~ に基づいた保健指導ハンドブック
e-ヘルスネット[情報提供]
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み
当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
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