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ホーム > アンチエイジングトピックス > No.144 肝臓の働きと栄養素

No.144 肝臓の働きと栄養素


肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれていますが、栄養素の代謝や毒物の解毒など体にとって肝心な働きをしています。
今回は、肝臓について「働き」「痛む原因」「良い栄養素」「注意点」の4項目に分けてまとめます。

肝臓の働き

肝臓の機能は個々の肝細胞と非実質細胞〔上皮細胞、クッパー細胞、伊東細胞(肝星細胞)〕が担い、これらの細胞群が各々の機能を発揮しつつ、コミュニケーションを取ることで細胞社会を形成し、肝臓の恒常性が維持され、500以上の働きをするとされています。
肝臓の主な働きは、以下の通りです。
  • 有害物質(アルコール、老廃物、薬物など)の解毒
  • 栄養素(糖、タンパク質、脂質など)の代謝
  • 血清タンパク質の合成と分解
  • 胆汁の生成、分泌
  • ホルモンの不活性化 など

肝臓が痛む原因と症状

肝臓は再生能力が高く、痛みを感じる知覚神経がないため、多少障害が進んでも自覚症状がほとんど出ません。しかし、過飲食、有害物質(薬物、化学物質、有害ミネラル)、ウイルス感染、免疫や代謝の異常などで過剰に肝臓に負担が掛かることによって肝臓の傷害が慢性化すると、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変、肝がんなどの重篤な肝疾患につながることがあります。
肝疾患でよく起こる症状は、「体がだるい」「疲れやすい」「食欲がない」「発熱」「吐き気・嘔吐」「かゆみ」「発疹」「黄疸(白目の部分が黄色く濁る)」などです。

肝臓に良い栄養素

急性肝炎の場合、治療の基本は安静と十分なカロリー摂取です。高タンパク質食は高アンモニア血症を惹起する恐れがあるため推奨されません。
急性肝不全では、脳症の状態をモニタリングしながら、分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)を含めたアミノ酸補充を検討する場合があります。また、脂肪肝やNASHにおいては、糖質はショ糖などの単純糖質でなく複合糖質である穀類などを摂取し、食物繊維やビタミンE、Cなどを多く摂るようにすることが勧められます。
その他、アルコール性肝硬変やC型肝硬変ではビタミンB1欠乏が多く見られ、末期の肝硬変ではマグネシウムや 亜鉛の欠乏も多いとされ、これらの補給が必要です。
 
この様に肝臓に良い栄養素は症状で異なりますが、肝臓の「保護」「機能補助」の2項目に分け、お勧めの栄養素を紹介します。

肝臓の保護

肝臓を保護するメカニズムは未解明な部分も多いが、以下の成分はD-ガラクトサミン肝障害、コンカナバリンA肝障害、アセトアミノフェン肝障害などから肝臓を保護すると言われている。
お茶の成分(フラボノイド、テアニン、水溶性多糖類)、アミノ酸(グルタミン、アスパラギン、セリン、ヒスチジン、リジン、グリシン、シスチン、メチオニン)、グルタチオン、大豆タンパク質 など

肝機能補助

肝臓では様々な代謝が行われており、その機能補助のためには以下の栄養素が良いと考えられている。
良質なタンパク質、含硫アミノ酸・含硫化合物(シスチン、タウリン、メチルメチオニン、S-アリルシステイン)、アルギニン、十分なビタミン(ビタミンA、E、B群、C)、食物繊維、レシチン、コリン、多価不飽和脂肪酸、サポニン など

注意点

肝臓に良いからと言って、過剰に栄養素を摂取するのは危険な場合があります。例えば、ビタミンAを過剰に摂取すると、不可逆的な肝障害を生じることがあります。また、鉄は不足しやすい栄養素のひとつですが、慢性肝炎(特にC型肝炎)では鉄が過剰になってしまうため、鉄の摂取制限と除鉄が必要です。抗酸化作用のあるビタミンCは肝臓に必要である一方、食事に含まれる非ヘム鉄の吸収を促進するため、慢性肝炎の方がビタミンCを摂取するタイミングは食間が勧められます。
この他、健康食品によく配合されている素材であるウコン、アガリクス、プロポリス、クロレラ、ノニなどの摂取による肝障害の報告もあり、安易な健康食品の利用は危険が伴う可能性があります。
【参考】
独立行政法人 国立病院機構 岩国医療センター サイト
清水 充  生活衛生36,315-326(1992)
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター研究所 サイト
石橋生哉 静脈経腸栄養 Vol.26 No.2(2011)703~711
小田 裕昭 日本農芸化学会誌 77巻 11号(2003) 1116~1119
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 サイト
兵庫県立病院薬剤部 サイト
肝細胞研究会 サイト
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 サイト
金子 朋弘 et al.,日大医誌 78(4) (2019)231~236
加藤 章信, 鈴木 一幸 日消誌 104巻 12号(2007)1714~1721
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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