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No.147 今さら聞けないシリーズ パントテン酸


必須栄養素のひとつであるパントテン酸は栄養素の代謝やエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。
今回はパントテン酸について体内での吸収や働き、不足症状などについてまとめます。

パントテン酸とは?

パントテン酸はビタミンB群のひとつであり、ビタミンB5とも呼ばれます。パント酸(パントイン酸)がβ-アラニンと結合しています。名前の由来は「いたるところに存在する酸」という意味で、広く食品に含まれるだけでなく腸内細菌によってもわずかに合成されるため、通常の食事をしている人であれば不足することはほとんどありません。炭水化物、脂質、タンパク質の代謝やエネルギー産生に関わり、私たちの生命を維持するために必要です。

パントテン酸の吸収

食品中のパントテン酸は、補酵素A(CoA)やホスホパンテテイン誘導体として、タンパク質と結合した状態で存在しています。食品を調理・加工する過程や胃酸環境下で、多くの CoAとホスホパンテテイン誘導体はタンパク質と遊離します。遊離した CoA 及びパンテテイン誘導体のほとんどは腸内酵素によって加水分解され、パントテン酸となった後に吸収されます。この吸収は小腸の刷子縁膜にあるナトリウムイオン共輸送型の2次性能動輸送トランスポーター(SMVT)が担い、吸収後は血漿中では遊離型、細胞中ではCoAの形で存在しています。

パントテン酸の働き

体内でのパントテン酸は、主にCoAやアシルキャリアプロテイン(ACP)としてアシル基(RCO-)転移の機能を担っています。
以下、CoAとACPの働きをまとめます。

CoA

CoAの中で最も大切なものは、酢酸と結合したアセチルCoAです。アセチルCoAは活性酢酸とも呼ばれ、炭水化物、脂質、アミノ酸代謝で生成します。クエン酸回路において3大栄養素からのエネルギー産生に重要な働きをしています。脂肪酸にCoAが結合したものはアシルCoAと呼ばれ、脂肪酸の代謝のためにミトコンドリア内に入っていきます。しかし、アシルCoAの形ではミトコンドリア膜を通過できず、カルニチンとの結合が必須なため、脂肪酸の代謝にはパントテン酸と合わせてカルニチンも必要となります。
CoAのアシル化は、アルコール、アミン、アミノ酸のアセチル化に関与しているだけでなく、スフィンゴシン、クエン酸、ポルフィリン合成などにも関わっています。

ACP(アシルキャリアプロテイン)

ACPはキャリアタンパク質としての活性のために補助因子として4'-ホスホパンテテインの形態でパントテン酸を必要とします。脂肪酸合成に関わる脂肪酸合成酵素に含まれ、酵素内にACPがあることで脂肪酸の合成が効率よく行われます。また、脂肪酸合成の他にもペプチド合成の際のペプチド縮合反応にも関与していると言われています。

パントテン酸の不足と補給

パントテン酸は不足しにくい栄養素ですが、精製された食品ではパントテン酸を含む多くのビタミンが減少しています。さらに強いストレスや環境の悪化によりパントテン酸の消費が高まり、パントテン酸が不足することがあります。
パントテン酸が不足すると、細胞内のCoA濃度が低下するため、成長停止や副腎傷害、生理的な悪影響(手や足のしびれと灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振など)が起こることが知られています。
加工食品を多く摂っている場合や強いストレスに曝されている場合には、パントテン酸を多く含む食品の摂取がお勧めです。
パントテン酸を多く含む食品と、その食品100g当たりに含まれるパントテン酸量の目安は以下の通りです。

レバー(豚)
7.19 mg

納豆(挽きわり)
4.28 mg

たらこ(生)
3.68 mg

落花生(乾)
2.56 mg

【参考】
国立研究開発法人・医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報サイト」
日本人の食事摂取基準(2020年版)
微量栄養素情報センターサイト
イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
日本ビタミン学会編集『ビタミンの辞典』(朝倉書店)
湯浅博昭 ファルマシア Vol.51 No.3(2015)201~205
東野 勲,山西 敏夫 化学と生物 Vol.46 No.6(2008)400~404
日本食品標準成分表2020年版
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

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