グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム > アンチエイジングトピックス > No.151 緑茶と免疫

No.151 緑茶と免疫


緑茶には、発がん抑制、メタボ関連疾患予防、脳機能調節など様々な効果が期待されています。
今回は、緑茶の効果の中でも「免疫」に対する効果に着目し、緑茶と免疫についてまとめます。

緑茶の栄養と効果

緑茶の栄養と効果

日本でよく飲まれているお茶は緑茶で、緑茶にはビタミンDとビタミンB12を除くビタミン類、各種ミネラル、食物繊維、タンニン類(カテキン類、テアフラビンなど)、カフェイン、アミノ酸(テアニン、グルタミン酸など)の栄養素が含まれています。
これらの栄養素(主にカテキン)の作用により、がん抑制、メタボ関連疾患予防、肝機能保護、老化抑制、脳機能調節、アレルギー緩和、抗菌・抗ウイルス、骨粗しょう症予防、歯周病予防、腸内細菌叢調整などの効果が期待されています。

緑茶と免疫

上記の通り緑茶には、アレルギー緩和、抗菌・抗ウイルス、腸内細菌叢調整などの効果が期待されています。これは、緑茶に含まれるカテキン〔エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)〕と核酸(RNA)にマクロファージ様細胞の貪食能を活性化させたり、パイエル板のIgA産生能の活性化などにより免疫力をアップさせる作用があるからだと考えられます。
以下、緑茶と免疫に関する論文を3報ご紹介します。

緑茶と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)

健康なヒト唾液にin vitroでウイルス(SARS-CoV-2)を添加し、緑茶または紅茶で10秒間処理した後にウイルスの感染力を評価したところ、ウイルス力価は検出可能なレベルを下回るか、1/100未満に低下した(Eriko Ohgitani et al., Pathogens. 2021 Jun; 10(6): 721.)。
別の研究では、緑茶、ほうじ茶、紅茶はin vitroでSARS-CoV-2を有意に不活化した。また、EGCG、テアシネンシンA(TSA)、TFDGを含むガレート化テアフラビン類によってもウイルスは不活化された。EGCG、TSA、テアフラビン3、3'-O-ジガレート(TFDG)はスパイクタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)と相互作用し、RBDと細胞内ACE2の相互作用を阻害した。お茶を摂取したり、お茶で洗ったりすることで、SARS-CoV-2が抑制される可能性が示唆された(Eriko Ohgitani et al.,Molecules. 2021 Jun; 26(12): 3572.)。

緑茶とインフルエンザ

新型インフルエンザが流行した2009年11月~2010年4月にかけて、医療施設に勤める20歳以上(平均年齢42.7歳)の職員197名を対象とし、緑茶の成分(カテキン:378mg/日、テアニン:210mg/日)を入れたカプセルとプラセボを摂取させる無作為化二重盲検2群並行研究を実施した。結果、カテキン・テアニン群では97名中4名がインフルエンザに感染したのに対し(発症率4.1%)、プラセボ群では99名中13名が感染し(発症率13.1%)、有意にインフルエンザの感染が抑制された。また、カテキン・テアニン群では、摂取を開始してから約70日目以降は新たな感染者が発生しなかったのに対し、プラセボ群では試験終了まで感染者が増加した(Keiji Matsumoto et al., BMC Complement Altern Med.2011; 11:15.)。

緑茶とヒスタミン

ラットから採取した肥満細胞の脱顆粒(ヒスタミン放出)に対するカフェインやカテキンの影響を調べたところ、両成分とも低濃度では脱顆粒に影響を与えなかったが、用量が一定値以上になった時にその用量に比例して脱顆粒を抑制して抗アレルギー作用が働いた。また、低用量のカテキンと組み合わせることで、カフェインの脱顆粒抑制効果が大きく増強された。カフェインやカテキンは肥満細胞からの脱顆粒を抑えることで抗アレルギー作用を発揮する可能性がある(Misaki Yashima et.al., Allergy Asthma Clin Immunol.2021 Jan 6;17(1):1.)。

まとめ

EGCとEGCGの免疫賦活化作用の強さはEGC>EGCGですが、EGCとEGCGの含有比率が3:1以上になると免疫賦活に効果的になると言われています。この比率で成分を抽出するためには、緑茶を熱水抽出するのではなく、冷水(4℃)抽出するのがよいと分かっています。
なお、茶葉に含まれるカテキンはEGCGが最も多く、カテキンのうち50%以上がEGCGです(ほうじ茶を除く)。次に多いのがEGCであり、EGCGとEGCの含有量の約80%を占めます。水や熱水での抽出では茶葉に含まれるカテキンを全て摂取することは難しいため、カテキンをたくさん摂取するためには茶葉そのものを粉にした粉茶や抹茶などを用いるのがお勧めです。
【参考】
日本食品標準成分表(2020年版)
野村 幸子 et al.,茶業研究報告 第121号(2016)23~35
~緑茶と健康のメカニズム~機能効用ナビゲーション2013
農研機構サイト
京都府立医科大学サイト
後藤 哲久 et al.,茶研報83(1996)21~28
情報提供元:株式会社ヘルシーパス

当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み

当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。

アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線