No.154 機能性成分:グルコシルセラミド
グルコシルセラミドには、肌の保湿力(バリア機能)を高める効果が報告されており、機能性表示食品としても認められ、注目を集めています。そこで今回はグルコシルセラミドについてご紹介します。
グルコシルセラミドとは?
グルコシルセラミドは動物のあらゆる組織中に存在し、細胞膜の構成成分として分布するスフィンゴ脂質の一種です。美容成分として注目されているセラミドにグルコースが結合したものです。
皮膚の最も外層(表皮の角層)で、物質透過バリアの重要な構成成分となることから、皮膚の保湿性や物質透過バリア機能改善を目的として、グルコシルセラミドを主成分としたスキンケア製品やサプリメントが数多く開発されています。
サプリメントの原材料としては、米・トウモロコシ・麦類・豆類・こんにゃく・キノコ類・ビートなどの植物や酵母由来のグルコシルセラミドが多く利用されており、その化学的な構造は由来する原料によって異なります。
消化・吸収は未解明な部分が多いが…
グルコシルセラミドの吸収や吸収後の代謝、生体利用性など、その詳細については未だ不明な点も多いですが、動物実験を主体としたこれまでの知見を基に、消化・吸収の概要を図1に示します。
経口摂取されたグルコシルセラミドは、まずグルコシルセラミダーゼにより消化管内でセラミドと糖に加水分解されます。ここで生成されたセラミドがそのまま小腸から吸収されることは示されておらず、少なくともセラミドの一部はセラミダーゼの働きによってスフィンゴイド塩基と遊離脂肪酸に分解されてから吸収されます。
消化管腔内で生成されたグルコシルセラミドの構成成分(糖、脂肪酸、スフィンゴイド塩基)はそれぞれ小腸上皮細胞から吸収され、一部はセラミドやグルコシルセラミドなどに再利用されますが、大部分は脂肪酸に代謝された後に吸収される事が示されています。ただし、スフィンゴ脂質は他の脂質と比べて、極めて消化・吸収されにくいとされています。
なお、下部消化管に達した未分解のスフィンゴ脂質は腸内細菌によってその一部が分解されるものと推測されています。スフィンゴ脂質は経口摂取により大腸がんを抑制する作用が報告されていますが、そのメカニズムは小腸で消化・吸収されなかったスフィンゴ脂質が盲腸や大腸で加水分解されて生成したセラミドやスフィンゴイド塩基によるものと考えられています。
グルコシルセラミドの機能性
前述の通りグルコシルセラミドの消化管吸収率は極めて悪く、またそのメカニズムも未だ多くの不明点が残っています。しかし、実際に植物性のグルコシルセラミドを摂取した結果、角質セラミド量の増加やTEWL(経皮蒸散水分量)の低下が認められた報告例などが多く、現在では機能性表示食品としても認められています。
※機能性表示食品は、国の定めたルールに基づき事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品の事で、安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものをさします。
<グルコシルセラミド:機能性表示食品>
- 受理件数:127件
- 由来原料:米、こんにゃく、パイナップル など
- 配合量:0.6㎎~3.5㎎/日
- 表示しようとする機能性(表示例):
米由来グルコシルセラミドには、肌の保湿力(バリア機能)を高める機能があるため、肌の調子を整える機能があることが報告されています。
こんにゃく由来グルコシルセラミドには、肌から水分を逃がしにくくする機能が報告されています。肌が乾燥しがちな方に適しています。
【参考】
食品機能性成分としてのスフィンゴ脂質の消化と吸収
消費者庁ホームページ「機能性表示 食品について」
セラミドの皮膚における役割
食品機能性成分としてのスフィンゴ脂質の消化と吸収
消費者庁ホームページ「機能性表示 食品について」
セラミドの皮膚における役割
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
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