No.155 シンバイオティクスとは?
過去に、プロバイオティクス・プレバイオティクスについて紹介しましたが、近年、話題となっている「シンバイオティクス」についてご存じでしょうか?今回は「シンバイオティクス」について紹介します。
どんな概念なの?
シンバイオティクス(synbiotics)は、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたもので、1995年に英国のGlenn R. Gibson博士らが初めて提唱したとされています。
「syn」には「共に」「一緒に」という意味があります。
腸内環境を整え、私たちの健康に良い効果をもたらしてくれる有用菌を含むヨーグルト、チーズ、キムチなどの「プロバイオティクス」と、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌のエサになる、オリゴ糖や一部の食物繊維などの「プレバイオティクス」を同時に摂取することで、より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つと考えられています。
腸内環境を整え、私たちの健康に良い効果をもたらしてくれる有用菌を含むヨーグルト、チーズ、キムチなどの「プロバイオティクス」と、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌のエサになる、オリゴ糖や一部の食物繊維などの「プレバイオティクス」を同時に摂取することで、より効果的に腸内環境を改善し、健康増進に役立つと考えられています。
実は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせは、シンバイオティクスの概念が提唱される前から行われていました。臨床現場においては感染防御、炎症抑制などで効果を示しており、健康食品においては両者を組み合わせた食品なども販売されています。
シンバイオティクスの効果
プロバイオティクス、プレバイオティクスのみの報告は多いものの、シンバイオティクスの効果については、まだ調べられていないものが多いです。しかし、シンバイオティクスは、さまざまな人間の病気に対する予防策として研究が進んでおり、以下のような効果が期待されています。
【期待される効果】
- 乳児から成人の便秘、下痢
- 炎症性疾患
- 精神疾患
- 代謝性疾患(ダイエット)
- 免疫賦活
臨床現場でのシンバイオティクス療法
シンバイオティクス療法は、プロバイオティクスに、増殖因子であるプレバイオティクスを併用することで、より強力に腸内環境を整えることができるとされています。
一例として、術後の感染症の予防・治療に抗菌薬は欠かせませんが、薬剤に耐性を持つ菌の存在や、薬剤が服用できない患者もいるため、より安心して治療ができるようシンバイオティクス療法が勧められています。
高度侵襲外科手術
肝移植症例において、①腸管内除菌群、②シンバイオティクス投与群、③加熱死菌乳酸菌投与群で術後合併症を比較検討した結果、退院までの術後感染症の発症率は、①群48%、②群13%、③群34%でした。
腸内細菌叢を抗生物質で減らすのではなく、シンバイオティクスで腸内細菌叢を保持する方が、感染合併症を減少させる可能性があることが示唆されました。
腸内細菌叢を抗生物質で減らすのではなく、シンバイオティクスで腸内細菌叢を保持する方が、感染合併症を減少させる可能性があることが示唆されました。
外傷・炎症
集中治療室(ICU)で機械的人工呼吸器を装着した敗血症患者をシンバイオティクス群と非摂取群に分け比較し、合併症を軽減するか評価しました。
結果、細菌血症の発生率と死亡率は、グループ間で有意差はありませんでした。
しかし、腸炎・人工呼吸器関連肺炎の発生率はシンバイオティクス群で低く、炎症抑制効果が期待できるとされています。
(Kentaro Shimizu et al., Crit Care. 2018 Sep 27;22(1):239.)
結果、細菌血症の発生率と死亡率は、グループ間で有意差はありませんでした。
しかし、腸炎・人工呼吸器関連肺炎の発生率はシンバイオティクス群で低く、炎症抑制効果が期待できるとされています。
(Kentaro Shimizu et al., Crit Care. 2018 Sep 27;22(1):239.)
シンバイオティクスの摂り方
腸内フローラに生息している菌の種類やバランスは一人ひとり異なるため、効果が期待できる菌も人によって違いますが、腸内環境を整えるには、毎日継続して摂取することが大事といえます。
身近な食材では、ヨーグルト(乳酸菌やビフィズス菌)+オリゴ糖+アロエ や、キムチ(乳酸菌)+ごぼう(食物繊維+オリゴ糖)など、プロバイオ、プレバイオの組み合わせの方程式を覚えれば、アレンジも簡単です。
シンバイオティクスは、サプリメントや健康食品で簡単に摂取することも可能ですが、まずは毎日の食生活を見直してみてはいかがでしょうか?
【参考】
日本静脈経腸栄養学会雑誌 31(3):797-802:2016
日本静脈経腸栄養学会雑誌 31(3):797-802:2016
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
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今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
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