No.156 コレステロール値を下げる工夫
コレステロール値が高いことで悩んでいる方が多くおられます。コレステロール値を下げる薬はありますが、薬以外で解決したいと考える方も多いのではないでしょうか?私たちが日常でできるコレステロール値を下げる工夫についてまとめます。
コレステロールの役割
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸、ビタミンDなどを作る材料となり、人体に不可欠な脂質のひとつです。20~30%は体外から摂り入れられ、70~80%は糖や脂質を使って肝臓などで合成されています。生活習慣病の因子として取り上げられているコレステロールは、リポタンパク質として血液中に溶け込んでいるコレステロールです。リポタンパク質には肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割を持つLDL(低比重リポタンパク質)と、体内の血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つHDL(高比重リポタンパク質)などがあります。
コレステロール値が高くなる原因
コレステロール値が高くなる原因には以下の様なものが挙げられます。
- 食事(飽和脂肪酸、トランス脂肪酸などの摂取)
- 閉経(女性ホルモン濃度の減少)
- 遺伝(家族性高コレステロール血症)
- 疾患(慢性腎臓病、甲状腺機能低下症 など)
- 薬物(経口避妊薬、コルチコステロイド など)
- 過度のアルコール摂取※ など
※アルコールの摂取は中性脂肪とHDLコレステロール値の増加をもたらします。HDLコレステロールは脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させると言われていますが、長期間の大量飲酒者ではHDLコレステロール値が100mg/dlを超えるような著しい高HDLコレステロール血症を認めることもあります。これは、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加とは異なるものとして考える必要があります。
コレステロール値を下げる工夫
食事(栄養素)
エネルギーの過剰摂取や高インスリン血症、欠食によりコレステロールや中性脂肪の合成が亢進すると言われている。そのため、摂取エネルギーや体重を適正にし、糖質や脂質、アルコールの過剰摂取を避けるのがお勧め。
胆汁酸はコレステロールから作られるが、腸内に分泌された後、食物繊維に吸着して体外に排泄されるためコレステロール値の低下作用が期待できる。また、ビフィズス菌や乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取すると、コレステロールの菌体への吸着や吸収抑制、プロバイオティクスの持つ胆汁酸脱抱合酵素の作用による胆汁酸排泄促進、腸管において産生される短鎖脂肪酸によるコレステロール合成抑制などによってコレステロール値が低下すると考えられている。
この他、ナイアシン、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、魚油(EPA、DHA)、イノシトール、緑茶、ウコン、大豆、アボカド、オリーブオイルなどの栄養素や食品の摂取もコレステロール値の低下作用が期待される
運動
中強度以上の有酸素運動を中心に定期的に(毎日合計30分以上を目標)行うことが推奨されている。血中の脂質レベルは1回の運動では影響を受けないため、数ヶ月以上の長期的な運動が必要となる。
有酸素運動が血中脂質レベルを改善させる機序は、筋のリポプロテインリパーゼ活性が増大し、中性脂肪の分解を促進させることにより、HDLコレステロールを増やすことが関与していると考えられている。
「低ければ良い」というわけでもない…
リポタンパク質にはバクテリアやウィルスの活動を抑制する作用があり、高LDLコレステロール値ではがんや感染症による死亡率が低いとも言われています。また、高齢者においては高コレステロールよりも低コレステロールの方が問題となり、コレステロール値の低いほうが死亡率が上がり、コレステロールの摂取を抑える食事指導は心疾患を増加させる可能性もあるようです。
そして、高コレステロール血症で処方される高脂血症用剤(スタチン系薬剤、フィブラート系薬剤)は、副作用として感冒様症状や疲労感、横紋筋融解症の他、急性腎不全など重篤な腎障害が起こることもあり、注意が必要です。
そのため、心筋梗塞や狭心症の既往がある人、糖尿病や高血圧がある人、中年男性で喫煙している人などでない場合には、コレステロール値を無理に下げる必要はないのかもしれません。
【参考】
e-ヘルスネット サイト、イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
神崎 恒一 日本老年医学会雑誌 44巻 2号(2007)181~184
MSDマニュアル 家庭版
文部科学省資料「朝食欠食と生活習慣病」
近藤 しずき,清水(肖)金忠 腸内細菌学雑誌 24巻4号(2010)281~286
浜崎 智仁 脂質栄養学 第20巻 第1号(2011)47~58、奥山 治美 薬学雑誌 Vol.125 No.11(2005)833~852
濱野 忠則 et al.,日本内科学会雑誌 第96巻 第8号(2007)1646~1651
e-ヘルスネット サイト、イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】
神崎 恒一 日本老年医学会雑誌 44巻 2号(2007)181~184
MSDマニュアル 家庭版
文部科学省資料「朝食欠食と生活習慣病」
近藤 しずき,清水(肖)金忠 腸内細菌学雑誌 24巻4号(2010)281~286
浜崎 智仁 脂質栄養学 第20巻 第1号(2011)47~58、奥山 治美 薬学雑誌 Vol.125 No.11(2005)833~852
濱野 忠則 et al.,日本内科学会雑誌 第96巻 第8号(2007)1646~1651
情報提供元:株式会社ヘルシーパス
当院におけるアンチエイジング(抗加齢療法)の取り組み
当院では多くの患者様の早期癌の発見等の最新医療をおこなってきました。
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線
今後は、いかにして癌化しにくい身体を創り上げていくかを次の目標にしたいと心しています。
アンチエイジング(抗加齢療法)とは
アンチエイジング(抗加齢療法)を始めるにあたって
アンチエイジングドック(抗加齢ドック)
アンチエイジング治療(抗加齢治療)
アンチエイジング医療最前線