田中理事長退任講演会 『私の履歴書』
会場の様子
令和5年3月25日にて、田中先生による理事長退任講演会が開催されました。
第1章は、田中先生の故郷のお話からご活躍まで様々なエピソードを交え、
田中消化器科クリニックの歴史について振り返りました。
第2章は、「健康寿命を延ばし、ピンピンコロリでこの世にグッドバイ!」というテーマを用いて日常生活から取り組むことができるカロリー制限、
運動や口腔ケアまで着目した内容でした。今回は、第2章についてご紹介させていただきます。
遺伝による認知症発症のリスク
*片親が認知症の場合
本人が発症する危険は10~30%と上昇する。
*片親早期発症のアルツハイマー型認知症の場合、
本人発症の危険はかなり高くなる。
例えば、親の発症が50代前半なら、本人発症の危険は約20倍となる。
本人が発症する危険は10~30%と上昇する。
*片親早期発症のアルツハイマー型認知症の場合、
本人発症の危険はかなり高くなる。
例えば、親の発症が50代前半なら、本人発症の危険は約20倍となる。
長寿遺伝子を賦活しよう
生活環境、生活習慣が長寿遺伝子のオン、オフに影響している。
そこで・・・『カロリーリストリクション』・・・(カロリー制限)
動物の実験では、摂取カロリーを60%程度に制限すると、動物の寿命は30~40%長くなった。
・タンパク質、ビタミン、ミネラル等は十分摂取することが前提
・酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスでは実証済み
・最近、「アカゲザル」の実験が完了された。カロリー制限を行ったサルは、普通食のサルに比べ、長寿で病気になりにくいことが報告されている。
そこで・・・『カロリーリストリクション』・・・(カロリー制限)
動物の実験では、摂取カロリーを60%程度に制限すると、動物の寿命は30~40%長くなった。
・タンパク質、ビタミン、ミネラル等は十分摂取することが前提
・酵母、線虫、ショウジョウバエ、マウスでは実証済み
・最近、「アカゲザル」の実験が完了された。カロリー制限を行ったサルは、普通食のサルに比べ、長寿で病気になりにくいことが報告されている。
カロリー制限(CR)とメタボ(MS)加齢
CR (カロリーリストリクション) |
MS (メタボリックシンドローム) |
加齢 | |
動脈硬化 | 抑制 | 進行 | 進行する |
血糖 | 低い | 高い | 高くなる |
インスリン | 低い | 高い | 高くなる |
癌の発生 | 低い | 高い | 高くなる |
脂肪蓄積 | 少ない | 多い | 多くなる |
炎症 | 少ない | 多い | 多くなる |
慶応大学坪田教授論文引用・改変
加齢により動脈硬化や血糖値の変化はみられるが、メタボリックシンドロームがある方は、より進行し、数値も上昇する。
食事量を腹八分目に抑え、カロリーリストリクションを実施することにより、健康寿命を延ばすことができる!
過去と現代の食生活の違い
◆ところで~ 縄文時代(約1万年前)の食生活は・・・
・貝類:13% ・魚類:30% ・獣類:15%
・クルミ:19% ・ヒシ:4% ・クリ:4% ・ドングリ:15%
どこにも穀物・果物はない
↓
まさに低カロリーで糖質制限食
・もともと人類は、穀物(糖質)主体ではなく、魚・肉・豆類を食べて暮らしていた。
現代のカロリー糖質60%適量が間違い?
◆現代の栄養学の考え
・カロリー制限は時代遅れ → 適切な糖質制限の時代
・ビタミン、ミネラルは極めて不足、補充必要
・痩せから標準体重(BMI22程度)以下は長生きでない。小太り(BMI23から25)が最も長生き
特に20以下、30以上は長生きできない
◆糖質過剰摂取による血糖値スパイク
糖質を過剰に摂取したときにみられる、血糖値スパイクは体にどのような影響があるのか
・インスリンの分泌が急上昇したときには眠気がみられ、その後低血糖症状としてアドレナリン・コルチゾールが増え、セロトニンが低下する。 脂肪の蓄積、眠気、集中力の低下、うつ病、幸福感の欠如に発展する。
◆どのような糖質制限がよいか
・糖質量は1日130g以内まで
例えば・・・普段食べているご飯やパン、麺類を半膳に調整しよう。
朝食(糖質40g)、昼食(糖質40g)、夕食(糖質40g)と制限をするとおおよそ120gに抑えることができ、
間食を10gとることができる。
・貝類:13% ・魚類:30% ・獣類:15%
・クルミ:19% ・ヒシ:4% ・クリ:4% ・ドングリ:15%
どこにも穀物・果物はない
↓
まさに低カロリーで糖質制限食
・もともと人類は、穀物(糖質)主体ではなく、魚・肉・豆類を食べて暮らしていた。
現代のカロリー糖質60%適量が間違い?
◆現代の栄養学の考え
・カロリー制限は時代遅れ → 適切な糖質制限の時代
・ビタミン、ミネラルは極めて不足、補充必要
・痩せから標準体重(BMI22程度)以下は長生きでない。小太り(BMI23から25)が最も長生き
特に20以下、30以上は長生きできない
◆糖質過剰摂取による血糖値スパイク
糖質を過剰に摂取したときにみられる、血糖値スパイクは体にどのような影響があるのか
・インスリンの分泌が急上昇したときには眠気がみられ、その後低血糖症状としてアドレナリン・コルチゾールが増え、セロトニンが低下する。 脂肪の蓄積、眠気、集中力の低下、うつ病、幸福感の欠如に発展する。
◆どのような糖質制限がよいか
・糖質量は1日130g以内まで
例えば・・・普段食べているご飯やパン、麺類を半膳に調整しよう。
朝食(糖質40g)、昼食(糖質40g)、夕食(糖質40g)と制限をするとおおよそ120gに抑えることができ、
間食を10gとることができる。
参考:糖質制限のススメ その医学的根拠と指針ー山田悟博士
栄養療法の基本
◆糖尿病、肥満、認知症、がん、
CKDなどすべての成人病予防をするためには・・・
・摂取カロリーの基本は標準体重×30ー35㎉
・炭水化物はGlycemiⅽ indexの低い食事
・お米は玄米が白米に比べ栄養一杯
・糖質制限は第一歩は糖質40%から
・脂質は魚類でEPA、DHAの摂取
・タンパク質は大豆、納豆、豆腐、魚、最後にお肉少々
・75歳以上は肉を食べてロコモを防ごう
・野菜は根菜類両手一杯で繊維一杯、良い便で癌防止
・酸化を防ぐ栄養成分の摂取
・自然食品を旬な季節で
・塩分は控えめが良い、がんは塩分大好き
CKDなどすべての成人病予防をするためには・・・
・摂取カロリーの基本は標準体重×30ー35㎉
・炭水化物はGlycemiⅽ indexの低い食事
・お米は玄米が白米に比べ栄養一杯
・糖質制限は第一歩は糖質40%から
・脂質は魚類でEPA、DHAの摂取
・タンパク質は大豆、納豆、豆腐、魚、最後にお肉少々
・75歳以上は肉を食べてロコモを防ごう
・野菜は根菜類両手一杯で繊維一杯、良い便で癌防止
・酸化を防ぐ栄養成分の摂取
・自然食品を旬な季節で
・塩分は控えめが良い、がんは塩分大好き
運動が元気の源
◆運動量と死亡率の減少は相関しており、少しの運動で寿命が延びる。
運動を行い、長寿遺伝子を活発にしよう!
運動の効果は、かなりすごい!
*1日15分の速歩を1週間に4回もしくは、1週間に60分の早歩きを行うと・・
→5ヶ月で、10年分の筋力が若返る。
※インターバル速歩(3分早歩き→3分ゆっくり歩き)
・しかも、高血圧、高血糖、肥満症の30%が改善
◆さらに、ウォーキングは骨粗鬆症予防にも効果的!
骨粗鬆症を予防の忘れられているポイント・・・『重力を感じて暮らそう!』
日光によるビタミンの合成 → カルシウムの吸収UP!
ウォーキングで骨に刺激 → 骨を丈夫にすることができる!
信州大学 能勢博先生 https://www.jtrc.or.jp/
運動を行い、長寿遺伝子を活発にしよう!
運動の効果は、かなりすごい!
*1日15分の速歩を1週間に4回もしくは、1週間に60分の早歩きを行うと・・
→5ヶ月で、10年分の筋力が若返る。
※インターバル速歩(3分早歩き→3分ゆっくり歩き)
・しかも、高血圧、高血糖、肥満症の30%が改善
◆さらに、ウォーキングは骨粗鬆症予防にも効果的!
骨粗鬆症を予防の忘れられているポイント・・・『重力を感じて暮らそう!』
日光によるビタミンの合成 → カルシウムの吸収UP!
ウォーキングで骨に刺激 → 骨を丈夫にすることができる!
信州大学 能勢博先生 https://www.jtrc.or.jp/
毎日のブラッシングが疾病予防
◆口腔内細菌は曲者!?
*虫歯の原因菌、ミュータンス菌が脳出血と関連している
*歯周病菌、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌、通称Pg菌が認知症の原因かもしれない。
*歯周病菌、フソバクテリウム菌は歯周病に関連する口腔内常在菌で、大腸癌の発がんや進行に関連している
◆認知症、脳出血、大腸癌予防に口腔ケア
・食後のブラッシング → 歯周病菌に栄養を与えない
・頻繁に間食をしない → 歯の再石灰化を促す
・食事の時は20~30回程度噛む → 唾液で口腔内を綺麗にし、胃の負担を軽減して逆流などを防ぐ
・歯間ブラシで歯の隙間の汚れを取る
・ビフィズス菌、酪酸菌製剤が予防になる可能性あり
運動や食事生活を見直し、日々の生活に取り入れ、将来の健康寿命を延ばそう!
*虫歯の原因菌、ミュータンス菌が脳出血と関連している
*歯周病菌、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌、通称Pg菌が認知症の原因かもしれない。
*歯周病菌、フソバクテリウム菌は歯周病に関連する口腔内常在菌で、大腸癌の発がんや進行に関連している
◆認知症、脳出血、大腸癌予防に口腔ケア
・食後のブラッシング → 歯周病菌に栄養を与えない
・頻繁に間食をしない → 歯の再石灰化を促す
・食事の時は20~30回程度噛む → 唾液で口腔内を綺麗にし、胃の負担を軽減して逆流などを防ぐ
・歯間ブラシで歯の隙間の汚れを取る
・ビフィズス菌、酪酸菌製剤が予防になる可能性あり
運動や食事生活を見直し、日々の生活に取り入れ、将来の健康寿命を延ばそう!
最後に田中先生より・・・
感動を呼ぶクリニック創りは終わりなき戦いです。
しかし、この戦いで、若者が育ち、素晴らしい人間力を身に着け、立派な人間に成長すれば、その努力はすべて報われます。
大切なことは、社会(会社)が若者を裏切らないことだと、思います。どんな子でも必死に努力をすれば、必ず報われる社会をつくるべきです。
私は、田中クリニックを卒業しお母さんになった社員が、子供に“一生懸命努力すると必ず報われるよ”と教える姿を夢見て、日々の戦いに臨んできました。
この33年間とても幸せでした、心から皆さんに感謝しております。
しかし、この戦いで、若者が育ち、素晴らしい人間力を身に着け、立派な人間に成長すれば、その努力はすべて報われます。
大切なことは、社会(会社)が若者を裏切らないことだと、思います。どんな子でも必死に努力をすれば、必ず報われる社会をつくるべきです。
私は、田中クリニックを卒業しお母さんになった社員が、子供に“一生懸命努力すると必ず報われるよ”と教える姿を夢見て、日々の戦いに臨んできました。
この33年間とても幸せでした、心から皆さんに感謝しております。
小島名誉院長より閉会の言葉を頂きました。
患者様よりお花の贈呈